「ちょっと喫茶店にでも入って話さない?」

 「ちょっとだけなら…」




 人は顔に性格が出るって言うし、

 ちょっとだけならいいよ…ね…?






  『 ご注文は? 』

 「俺は コーヒー ブラックで」

 「あ、私はレモンティーで」

  『 かしこまりました。 ごゆっくりどうぞ。 』






私はチラチラと男のほうを見る。

知らない人だけど… 知らない…

知らない人だけど…




  う-ん





 「さっきから何チラチラ人の顔見てんの?」

 「あ…ばれてました? 」





  『こちら、コーヒーとレモンティーになります』






定員さんが去って行ったあと彼から口を開いた


 「 これ… 」

  男が小さな紙を差し出してきた。 

  「 名刺…?  」
 
  「一応、ちゃんとした会社だから。

  別に怪しいとか思うなよな。」

  「名前…。 名前なんて呼べばいいですか?」

  「あ、俺? 俺は昂でいいよ」




   
 平松 昂(-Hiramatsu Kou-)






  「少しだけ説明すると… 」




 昂さんは頼んでもいないのに…

 どんなことをやっているのか説明し始めた。




 「ここは、なかなかいい出会いのない男と女があるまる場所。


  もちろん、ここに集めるのはルックスばっちしの

  人ばっかだがな。 お前も含めだ。 」





 コーヒーをすすりまた話はじめた。

 「男は社員ってことで入社してもらう。

  女はお客だ。」

昂さんの話すにはこういう仕組みだそうだ。






お店に入るとすぐに顔写真のリストを見せられ

 その中から好みの男性を選び、個室でいろいろと話したりする。

年齢は10代、20代、30代とわかれているみたい。

それから、恋に発展するかしないかはその人たち次第。

そこでたくさんの愛に触れ、癒される場所だそう。




 違う形の愛も提供しているらしい。




 いわゆる大人の愛…




  いや、私には関係ないけど…






 この店を出て行った人に、実際結婚した人もいるそうだ。





 「ちなみに、俺は、街にでて出会いがなさそうな男女を

  見つけては声をかけ、お店に誘っている。


  だから・・・」






「だから、お互い人に困るってことはしてないわけだ。」


  大体の仕組みはわかった。
  
  だけど、どうやってその会社をまかなっているんだろう。





 「でも、お金とかどうせとるんでしょ。それだったら私無理…」






 「いやお金はとらないよ。

  これは俺の趣味でね。別に仕事をしてて、そっちが主なんだ」






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